はじめに
現在のパフォーマンスマネジメントのプロセスに満足している人はほとんどいませんし、ではどうすればいいのかを明確に知っている人も皆無でしょう。そんな中、コーン・フェリーの最近の調査が転機になるかもしれません。私たちはビジネス界の外に学びを求め、67名もの優れたパフォーマーとの対話を通じて、業績向上を促すフィードバックの対話を生み出す鍵となる新しいマインドセットとアプローチを発見しました。
このアプローチは、企業のパフォーマンスマネジメントに関して、これまで一般的に信じられていた考え方を否定します。そこでは、伝統的な慣行やプロセスを大幅に簡素化し、対話を通じたフィードバックが職場の日常的な風景となります。その要点は、年次レビューで過去を振り返ることから、仕事のリズムとより密接なサイクルに置き換えることです。
同時に、企業はフィードバックが自由に活発に行われるための適切な条件を構築し、組織全体に浸透させ、維持させる必要があります。これには、業績目標の共有化、強固な文化的・価値観の枠組み、そしてフィードバックに対する脅威や恐れが取り除かれた心理的安全性のあるインクルーシブな環境が含まれます。
また、組織の個々のメンバーにも重要な役割があります。リーダーは、キャリアの早い段階から人間の行動特性について学ぶ必要があります。そうすることで、フィードバックを効果的に提供し、個々のニーズに合わせて調整できるようになります。
一方で受け手の側も、パフォーマンスに関するフィードバックを求め、受け入れ、理解し、それを日々の改善に役立てようとする必要があります。フィードバックが日常的な光景となることが望ましいですが、特にキャリアの初期段階で重要なのは、好業績をあげるための基盤となる自己認識が育まれることです。
最終的な目標は、流動性があり、従来の延長線上にないパフォーマンスマネジメントの世界へと移行することです。そこではフィードバックの提供者と受け手が密接に協力し合い、フィードバックは自然なもので、定期的かつ個別化された取り組みとなっています。
演劇、ダンス、映画・テレビ、医療、軍事、救急サービスなど、様々な分野でこのアプローチはすでに大きな成果を挙げています。ビジネスの世界で実現できない理由はありません。
不都合な事実
現在のパフォーマンスマネジメントの問題点とは?
これまで企業は、パフォーマンスマネジメントと他の重要な人事領域との間に、公式であれ非公式であれ複雑な関係を構築してきました。これらは「ROIの最適化」「人事プロセスの効率化」「テクノロジーの活用」「人事データ分析とインテリジェンス」といった名目で推進されてきたものです。これらの目標は確かに有効かもしれませんが、一般に忘れられがちなパフォーマンスマネジメントの一番の目的である「業績向上」に本当に貢献しているでしょうか?
基本に立ち返る
調査によると、評価、構造、プロセスなど、パフォーマンスマネジメントのベストプラクティスとして知られるメソッドに変更を施したところで、フィードバック文化が醸成されることに比べると影響は限定的です。成長や改善、方向性の修正における「フィードバック」の重要性こそが、高いパフォーマンスの鍵として今回の調査参加者全員によってあまねく強調されています。
フィードバックを企業文化の一部にする
どの分野であれ、どのような企業文化であれ、私たちが調査の過程で話した人々に共通するのは、フィードバックに対する期待と渇望です。彼らにとって、フィードバックは特別な場面でのみ使用するツールではなく、日常の一部であり、あらゆる活動に内在しているものです。ビジネスの世界においても、フィードバックをこのような存在にする必要があるのです。そして重要なのは、トップダウンや職位の高い者から低い者へのフィードバックの提供だけでなく、組織内の全員がフィードバックを受け入れるマインドセットを持つことです。
本ペーパーでは、効果的なフィードバックを提供する上で重要な3つの発見について説明し、パフォーマンスマネジメントの新しい方向性を提案します。
1 フィードバック環境を整える
2 リーダーが人を理解する
3 個人にフィードバックを渇望させる
これらの教訓をもとに、パフォーマンスマネジメントの新しい方向性を提案します。
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