「どうすれば人の能力を最大化できるのか」:このシンプルでありながら難解な問いに長年取り組んだ結果、その答えが見えてきました。
あらゆる人はポテンシャル(潜在能力)を秘めています。それは現在の職務で発揮されているものを超越し、新たなチャレンジに立ち向かう中で、自分ですら想像していなかったほどの能力です。そのポテンシャルを引き出す方法を知っていますか?
コーン・フェリーは「優れた組織」と「偉大な組織」の違いを長年考察してきました。そして、何度も同じ光景を目の当たりにしました。最も力強い成長を遂げ、最も高い利益を上げている組織は、従業員が潜在能力を最大限発揮している組織なのです。
しかし、あまりにも多くの企業が、選抜された数人だけを支援しているのが実態です。目の前のハイパフォーマーを優遇することで、組織内に埋もれている他の潜在能力を不注意にも見落としてしまう可能性があるのです。ポテンシャルを持った人材はそこら中にいるにもかかわらず。
ポテンシャルを引き出すには障害となっているものを認識する必要があります。
ポテンシャル発揮において重視すべきは、自分の性格特性、動機、経験をよく知り、将来職務のために伸ばしたいスキルを準備することです。コーン・フェリーでは、人が職務やチームにおいて成功する上で妨げとなる4つの理由を特定しました。
1 機会の欠如:ハイパフォーマンスとハイポテンシャルは同じではない
前年度の業績だけでは、その人がビジネスの進化に伴って必要とされるスキルセットやマインドセットを持っているかどうかは判断できません。別の職務に就いたときにどれだけのパフォーマンスを発揮できるかも分かりません。ハイパフォーマンスとハイポテンシャルは重なる部分がありながらも違うということを、多くの人が誤解しているからです。結果的に、すでに優秀な成績を収めている人材の育成に注力し、適切なサポートと機会があれば輝ける人材を見過ごしてしまいがちです。
2 学びはすぐに失われる:理論は実践してこそ意味がある
仮に全員に学びの機会を提供しているとしても、学んだことを応用する機会を全員に平等に与えているでしょうか? 人々が学習から最大限の成果を得るためには、学んだことをできるだけ早く実践に移す必要があることが分かっています。新しいスキルを定着させるには、平均して1万時間必要なことも知られています。新しいスキルを常に実践する機会がなければ、せっかくの学習が無駄になる恐れがあります。
3 職務とスキルの不一致:スキルを発揮できない役割を与えられている
もし人々が自身の行動特性、スキル、動機に合った職務に就いていれば、より積極的に取り組むようになり自ずと成果を発揮する可能性が高まるでしょう。人材と職務のマッチングはあらゆるレベルで重要です。シニアチームにおいては、性格特性と動機に対する職務適合性が高いリーダーは、適合性が平均的なリーダーに比べて高エンゲージメントである可能性が250%も高いことが分かっています。逆に、自分に合わない職務に就いている人が高いパフォーマンスを発揮することはあまりないでしょう。能力や意欲に見合った昇進や異動もなされず、ウェルビーイングにも悪影響を及ぼします。
4 有害なリーダーシップ:リーダーの結果至上主義がチームの内発的動機を低下させる
リーダーがチームのサポートよりも数字を重視すると、その組織の文化は有害なものになります。明確なパーパスもなく育成を重視するリーダーもいなければ、人々は全力を尽くそうという内発的動機を失い、自分の限界に挑戦することはなくなります。コーン・フェリーの調査から、期待以上の業績を上げる従業員の60%が組織全体のパーパスとビジョンに触発されているのに対し、そうでない従業員は48%であることが分かっています。
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