CEO がパンデミック、世界情勢やマーケット変動から生じた新たな課題に取り組む中で、増大する責任を管理するために経営チームに新たなポジションを設けるようになっています。そのひとつが、最高収益責任者(Chief Revenue Officer : CRO)です。
LinkedInの調査¹によると、CROのポジション数は2020年9月から2021年8月にかけて37%も増大しています。ロックダウンやサプライチェーンなどの問題に対処する中で、多くの組織が困難な市場で売上を伸ばすどころか、維持することにも苦心しているため、この数値は驚くことではありません。
売上を上げることに重点を置く最高営業責任者(Chief Sales Officer : CSO)とは異なり、売上の最適化は CRO の任務のごく一部です。むしろ、CRO はカスタマー・ライフサイクル全体を重視し、営業組織が市場や顧客の嗜好の変化に対応できるようにすることにフォーカスします。またCROは、営業組織より多くの購買者の考えや価値観(インサイト)を把握するために、形式に沿ったダイナミックな営業手法とセールステクノロジーを採用することを支援しなければなりません。
CROは、営業、マーケティング、カスタマーサクセスを組織全体のビジネス戦略と結び付け、今日の営業環境における最も差し迫った課題に対処するための斬新なアイデアを提供しながら、縦割りから生じる情報のサイロ化を解消し、変革を主導する存在なのです。
CROが頭を悩ます多種多様なテクノロジー・ツールの管理
CRO が早期に解決しなければならない課題は、営業組織のテクノロジーとデータの管理です。 Gartner社の最近の調査によると、営業担当役員のうち、自社のセールステクノロジー・スタック(特定のビジネス目標を達成するために使用するソフトウェアやツールの組み合わせ)²に非常に満足しているのはわずか 2% でした。また、営業担当役員の 10人中 7 人は、営業担当者にさらにセールスツールを提供するために、今年度のテクノロジー支出を増やす予定だと回答しています。もしあなたが新しい CRO なら、同じ欲望に駆られるかもしれません。しかし、その前に、組織の現在のセールステクノロジー・また、CRM や他のセールスツールから営業担当者がどれだけ簡単にインサイト(考察)を引き出すことができるか、そして現在の導入レベルを確認することも重要です。
突き詰めれば、セールステクノロジーは成果を向上させ、全員の時間を節約するものでなければなりません。ここからセールステクノロジーとデータに関する7つの共通課題とその解決策を紹介します。